先走液(プレエジャキュレート)と妊娠 ― 日本版:妊娠リスク・精子・予防法

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執筆:フィロメナ・マルクス
先走液のイメージ写真

先走液(プレエジャキュレート)で妊娠する可能性はある? 射精がなくても妊娠するリスクは?
排卵日や妊娠しやすい時期に先走液が膣に入った場合の確率は?
先走液に精子は含まれるのか?
本記事では、先走液の仕組み・妊娠リスク・感染症・予防法を日本の最新データで解説します。

先走液(プレエジャキュレート)とは?

先走液は性的興奮時に射精前にペニスから分泌される透明な液体です。
カウパー腺(球尿道腺)で作られ、尿道に流れます。量は個人差が大きく、数滴から数ミリリットルまで様々です。

主成分は水分・粘液・酵素・ミネラルで、弱アルカリ性。尿道内の残尿を中和し、精子が通りやすい環境を作ります。

いつ先走液が出る?

強い性的興奮時、射精前の前戯や性交中に自然に分泌されます。
量やタイミングはコントロールできません。複数回出ることもあります。

先走液に精子は含まれる?

基本的にカウパー腺で作られるため精子は含まれないとされますが、
米国UCSFの研究 では、約41%の先走液サンプルに精子が検出され、約37%は運動性ありと報告されています。
特に直前に射精した場合、尿道に残った精子が混ざることがあります。
パイプカット(精管切除)後は通常精子は含まれません。

先走液で妊娠する可能性は?

妊娠は可能です。精子が含まれていれば、排卵日など妊娠しやすい時期に膣に入ると受精することがあります。
ごく少数の精子でも妊娠は成立します。

Clearblueによると、精子は女性体内で最大5日間生存可能。
排卵日付近は妊娠リスクが高まります。

コンドームなしの「外出し(膣外射精)」でも、年間100人中最大18人が妊娠する(パール指数4~18)と報告されています。

射精なしでも妊娠する可能性は、特に排卵日付近はゼロではありません。

先走液で感染症はうつる?

はい。先走液にも性感染症(STI)の病原体(クラミジア・淋菌・HPV・ヘルペス・HIVなど)が含まれる場合があります。
コンドームは感染リスクを大きく減らしますが、皮膚接触による感染は完全には防げません。

先走液による妊娠を防ぐには?

バリア法: コンドーム(ラテックス・非ラテックス)は妊娠・感染症予防に有効です。

ホルモン法:

  • ピル(毎日服用、正しく使えば高い効果)
  • リング・パッチ(毎月・毎週交換)
  • ホルモンIUS(3~5年有効、パール指数0.2未満)

長期・緊急避妊: 銅IUD(10年有効、ホルモンなし)、緊急避妊薬(性交後72~120時間以内)。

コンドームによる妊娠・感染症予防

まとめ

先走液には精子や病原体が含まれることがあり、射精なしでも妊娠・感染症リスクがあります。
外出しは安全な避妊法ではなく、確実な避妊・感染症対策が重要です。

よくある質問(FAQ)

はい。精子が含まれていれば、排卵日など妊娠しやすい時期に膣に入ると妊娠する可能性があります。射精より確率は低いですがゼロではありません。

正確な数字はありませんが、個人差・タイミング・精子の有無で変動します。外出しでも年間最大18%が妊娠する報告があります。

はい。排卵日は受精しやすく、少数の精子でも妊娠する可能性が高まります。

いいえ。通常は精子なしですが、尿道に残った精子や微小射精で混ざることがあります。直前に射精した場合は注意。

はい。先走液に精子が含まれていれば妊娠可能です。外出しは安全な避妊法ではありません。

正しく服用していれば妊娠リスクはほぼゼロですが、性感染症は防げません。

射精より低いですが、排卵日や尿道に精子が残っている場合はリスクがあります。

性的興奮時、射精前の前戯や性交中に自然に分泌されます。複数回出ることもあります。

個人差が大きく、数滴から数ミリリットルまで様々です。体調や年齢、興奮度で変わります。

残った精子の数は減りますが、完全に除去はできません。

はい。クラミジア・淋菌・HPV・ヘルペス・HIVなどが含まれる場合があります。コンドームで予防しましょう。

できません。無意識の反射で分泌されます。

加齢で減る傾向はありますが、個人差が大きいです。

不健康な生活習慣は分泌量や腺機能に影響します。水分・栄養・禁煙が有効です。

はい。性交開始前から装着すれば、膣や口腔粘膜への接触を防げます。

指・性具・粘膜に付着した場合はリスクがあります。コンドームやフィンガーグローブで予防しましょう。

理論上は可能ですが、膣内に入る場合よりリスクは低いです。

表面の液体は除去できますが、尿道内の精子は残る場合があります。

精管切除後(2回の陰性精液検査後)は精子が含まれません。感染症リスクは残ります。

女性体内で最長5日間生存可能です。排卵数日前の性交でも妊娠することがあります。